

ミャンマー産天然無処理の原石
自然からの預かりものである宝石
人類の歴史を通じて、王冠や装飾品とつかわれてきた宝石は、もともとはわたしたちの周りの岩石の中にあるものです。多くは、長い年月にわたる地質学的な変化でできた鉱物の結晶起源です。それらの結晶が取り出され、切り出され、削られ、磨かれることで、宝石やその他の装飾品になります。自然からの預かりものである宝石がどれほどの価値が認められるかは、西洋ではルビーが最高級の宝石として扱われています。25.6カラットの「サンライズ・ルビー」がしっかりセットされた指輪は2015年に約3000万ドルの値がつきました。
最高級な宝石ルビーとは
価値の高い宝石ルビーを探すのは、プロでも難しいのです。理由は、似たものが多すぎるためです。有名で需要が高いが希少性も極端に高いため、同じものを作れば儲けることができたからです。(宝石の定義から見れば違うものですが…)宝物の象徴であったルビーは、人工合成石が1883年にフランスのヴェルヌイ博士によって発明され、1908年に宝石ルビーとして世界中に商業的に販売されて行った頃を境に宝石としての地位を急速に失っていきました。宝石の定義は、美と希少と不変ですから、いくら科学組成が同じ鉱物であったとしても人の手によって数が増やせるモノであれば、当然、宝石の地位を失います。そう考えると、1970年代から盛んに行われて世界中に広がった加熱処理をして美しさを改良したルビーも同じ道をたどる可能性が高いのです。人工合成石とは違い天然石であるというところに境界線を引いて、処理をしたルビーの商品価値を守ってきましたが、これも加工数を増やしすぎたばかりにダイヤモンドよりも安くなってしまいました。短期的な商業を優先したために希少性に影響を与えてしまったという部分では、人工合成石と本質的に同じです。天然無処理で美しいルビーは、今も存在していますが、どれが天然無処理なのか?とても分かりにくくなりました。
価値を左右する大切な産地
ルビーは産地よって価値が大きく異なる宝石です。これは、それぞれの産地固有の美しさと伝統、そして産出量に大きな差があるためです。固有の美しさの要因は、結晶が成長した時の環境の違いが、微量成分(元素)の取り込みや透明度に差を生じさせるからです。ミャンマーモゴック産地の歴史は古く、15世紀以降はるルビーの主要な産地となってきました。

カルサイト(方解石)に抱かれているルビーの原石、ミャンマーモゴック産
ミャンマー産ルビーはどのように生まれたのか?
45.5億年前…太陽から生まれ燃えたぎっていたガイア(地球)に、テイアが衝突し、地球の核と大気が生まれ、38億年前に生命が誕生したバクテリアです。その生命はやがて、カンブリア紀の甲殻類、珊瑚になり、彼らの生命は海底の堆積岩となりました。9000万年前に南極を離脱、1年に15センチという驚異的なスピードで北上するインド半島の移動により北へと押し上げられた、その生命の白い石(堆積岩)です。やがて5000万年前、ユーラシア大陸と衝突、世界最大のヒマラヤ山脈をつくりました。その時にできたのがルビーの母岩です。地球の壮大なドラマがあって2000万年前に宝の石ミャンマー産ルビーが誕生しました。
ミャンマー産の天然無処理ルビーの美しさの奥深くにある、2000万年前の地球の想像を絶する地中の世界に思いを馳せ、ミャンマー産天然無処理ルビーの素晴らしさを感じていただきたいです。


大切な思い出をいつまでも変わらぬ姿で保存してくれるカプセルのような存在が宝石ルビーです
ルビーは結婚指輪や記念日(アニバーサリー)で贈るジュエリーにおすすめです。アニバーサリーといえば、忘れたくない想いを形にして残すことであり、それを日本語では記念といいますが、大切な思い出をいつまでも変わらぬ姿で保存してくれるカプセルのような存在が、モリスでは天然無処理で美しいミャンマー産ルビーであり、「宝石」なのです。いつか受け継がれる時に、プロが見たら「天然無処理で美しいミャンマー産ルビーじゃないですか!」「譲ってください!」と言うことでしょう。その時に、思い出がキラキラと輝きだすはずです。宝石の定義は、美しく、希少性が高く、経年変化のない天然の石です。安心して、「好きなルビー」「相性のいいルビー」を選んでください。