ダイヤモンド MD0035
Carat(重量) | 0.02ct |
Size(寸法) | 1.8mm |
Quality (品質) | GEM( G - VS ) |
Fluorecence(蛍光性) | None |

ダイヤモンドの特徴
台風が少しずつ接近している京都の空は今のところまだ穏やかです。「今日のダイヤモンド」は、この曇り空の下で、特徴をみていきたいと思います。「今日のダイヤモンド」は。直径2㎜に満たない直径1.8㎜の小粒のダイヤモンドです。そんな小さなダイヤモンドですが、ルースケースからダイヤモンドをとり出すと、内側からキラキラとモザイク模様が美しく輝き始めました。さて、この人の心を魅了するダイヤモンドは、いったいいつ頃出会ったのでしょうか。ダイヤモンドと人類の最初の出会いは、紀元前800年ごろのインドだったと考えられています。インドは長い間、ダイヤモンドの唯一の産地でした。ダイヤモンドは他の宝石と共にシルクロードを通って他国へともたらされます。さらに15世紀に「ダイヤモンドをダイヤモンドで磨く」技術が確立されると輝きの美しさが特徴の宝石となりました。18世紀初めには、産地がインドからブラジルへと移ります。「今日のダイヤモンド」と同じ形状のブリリアントカットが生まれ、19世紀に動力が人力から蒸気へと変わると、より正確に多くのダイヤモンドを磨くことができるようになりました。そして産業革命により豊かになった人々の需要に応えるかのように、南アフリカで巨大なダイヤモンドの鉱床が発見されたのです。採掘量が大幅に増えたこと、また動力が電力となり加工技術が発展したことに支えられて、ダイヤモンドは宝石産業の中心となりました。20世紀に入るとアフリカ、ロシア、オーストラリア、カナダでも鉱山が発見され、現在では年間1億カラットを超える産出量となっています。その内の一石が今、私の手元にあるわけですが、この直径1.8㎜の小粒のダイヤモンドにも、58面しっかりと正確にカットが施されています。研磨技術の発展の歴史を感じながら「今日のダイヤモンド」の個性を見て行きます。カラーグレードは、ほぼ無色のGカラー。クラリティグレード(透明度)はVSクラス。熟練の鑑定士が10倍に拡大して特徴(個性)等が発見できる程度のため、肉眼で確認することは難しく、「今日のダイヤモンド」も肉眼ではインクルージョン(内包物)をみつけることはできませんでした。そこで80倍に拡大してダイヤモンドの内側の世界を覗いてみることにしました。するとダイヤモンドをフェイスアップ(ダイヤモンドを上から見る)で見ると、ガードル(カットされた宝石の最も外周にあたる部分)に近い箇所にCLOUD(クラウド:針の先で突いたくらいの微小の内包物が密集して雲のようにみえる内包物)が発見されました。ですが、輝きに影響するものではありません。むしろ、それは唯一無二のダイヤモンドの個性です。