ダイヤモンド MD0042
Carat(重量) | 0.13ct |
Size(寸法) | 4.49×2.75-1.98mm |
Quality (品質) | GEM( G - VS ) |
Fluorecence(蛍光性) | None |

ダイヤモンドの特徴
吹く風もなんとなく秋の気配を感じるようになってきました。さて「今日のダイヤモンド」は、MARQUISE-CUT(マーキス・カット)のダイヤモンドです。マーキス・カットのダイヤモンドは、小粒でも輝きが強いものとなります。ダイヤモンドの一つひとつの結晶は、その最適な美しさを引き出すために、形や面の取り方、立体の枠組みなどが決められます。プロポーションは、この立体の枠組みのことです。ダイヤモンド・カッターは熟練の技術で心地よい形を出し、ファセットの接点で丁寧に仕上げて魅力あるファンシーシェイプ・ダイヤモンドを完成させます。バランスが適切で美しい輝きが十分発揮されているかどうかは、目で見て確かめます。市場では、ダイヤモンドの本質を理解していない人たちが、グレーディングレポートの記号や数値だけで品質を決めようとしてきました。勿論「目安」として記号や数値を使うことはプロとして当然ですが、ダイヤモンドをはじめ、宝石の美しさが記号や数値で表せないことは、理解されなければなりません。更に美しさには主観の要素があり、それを客観的な数字や記号で結論するのは困難です。分析してプロポーションの客観的要素を観る時も、このことを十分理解してとりかかることが必要です。それでは、「今日のダイヤモンド」の特徴(個性)を観ていきましょう。重量は、0.13ct。寸法は、最長4.49㎜、最短2.75㎜、深さ1.98㎜。カラーグレードはGカラー。クラリティ(透明度)はVSクラス。熟練の鑑定士が10倍に拡大して特徴(個性)等が発見できる程度のため、肉眼で確認することは難しく、「今日のダイヤモンド」も肉眼ではインクルージョン(内包物)をみつけることはできませんでした。そこで顕微鏡で40倍に拡大してダイヤモンドの内側の世界を覗いてみることにしました。するとダイヤモンドをフェイスアップ(ダイヤモンドを上から見る)で見ると、マーキス・カットの尖った先端に近い箇所に、針の先で突いたような極小さなインクルージョン(内包物)PINPOINTが発見されました。それ以外は、目立った特徴はなく、大変透明度の高い美しいダイヤモンドです。ピンセットで挟み少し揺らしてみると、強い輝きと橙、青、藍など虹色の7色の強い分散光が、バランスよくでてきます。ダイヤモンドを選ばれる時は、こうして実際の輝きを見比べてお選びになることをお勧めします。◇出典(参考文献)諏訪恭一「宝石」品質の見分け方と価値の判断のために 世界文化社