ダイヤモンド MD0050
Carat(重量) | 0.01ct |
Size(寸法) | 1.5mm |
Quality (品質) | GEM( G - VS ) |
Fluorecence(蛍光性) | NONE |

ダイヤモンドの特徴
8月も残すところあと3日となり、吹く風も秋の気配を僅かに感じられるようになりました。さて、今日も一石のダイヤモンドの特徴(個性)を見ていきたいと思います。今、目の前には、直径1.5㎜のメレー・ダイヤモンドが10石、ルースケースに入れられ並んでいます。一見どのメレー・ダイヤモンドも同じように見えるのですが、一石一石、特徴(個性)をみていくと、同じ石は一つとなく、それぞれの個性で輝いています。早速「今日のダイヤモンド」をルースケースから取り出し、その個性を楽しみたいと思います。先ずはピンセットで挟み、先ほどようやく顔を出した朝陽にかざしてみました。するとこんなに小さなダイヤモンドから、なぜこれほどまでに力強くキラキラと煌めくのかと思うほど、七色の美しい輝きとともに内側からキラキラと煌めきはじめました。朝露のように、澄んだ美しさを持つこのダイヤモンドですが、顕微鏡で80倍に拡大して、ダイヤモンドの内側の世界を覗いてみることにしました。すると肉眼では全く観る事のできない神秘的な世界が広がっていました。ダイヤモンドをフェイスアップ(上から)で観て、テーブルファセット(一番上にある8角形の平らな面)に、PIN POINT/ピンポイントといわれる、針で突いた位の極小さなインクルーションが幾つか見つかり、またガードル(最も外周にあたる部分)に近いUPPER GIRDLE FACET/アッパーガードルファセット(ガードルに接した16の三角形のファセット)に一つ、極小さい透明な可愛い形のクリスタルインクルージョン(結晶内包物)を発見しました。内包結晶は大きくない限り、美しさに対する影響は少なく、また耐久性を損なうことはありません。ここに出合うまで、この直径2mmにも満たない、極小さなメレー・ダイヤモンドは、地球深部から想像を遥かに超える旅をしてきたのです。地球が誕生して45億年。その壮大な歴史の中で、ダイヤモンドは10~30億年前に地表から150 ㎞以深の上部マントルのマグマの中で、高温高圧の環境下、液体の炭素がダイヤモンドの結晶へとその姿を変えたところから始まります。この可愛い形のクリスタルインクルージョンは、周囲で生成された別の鉱物をダイヤモンドの内部に取り込んだものです。ダイヤモンドの一番の魅力は、眩いばかりの美しい輝きではありますが、顕微鏡を覗きながら、このインクルージョンを眺めていると、地球深部からのメッセージが閉じ込められているようで、特別な感情を抱きます。皆さまも是非、ダイヤモンドの内なる世界を覗きにモリスへお越しください。