エメラルドカット・ダイヤモンド無処理

エメラルドカット1

エメラルドカット・ダイヤモンド無処理

エメラルドカットという呼び方は、コロンビア産のエメラルドがこの形にされることから定着しました。六方柱形のコロンビア・エメラルドの原石が、この形にするのが一番美しく、ロスが最も少なくなります。コロンビア・エメラルドにとっては、この形が一般的で、ラウンドやオーバルには特殊な形なのです。一方ダイヤモンドは通常、原石の適性と需要から、ラウンドにカットした方がコストパフォーマンスに優れています。ダイヤモンドはラウンドが一般的で、そのほかの形はファンシーシェイプとなります。エメラルドカットにされる原石は、ラウンドカットされるものとは形が異なりますが、質の良いものに限られ、ダイヤモンド全体の2%以下にすぎません。ファンシーシェイプに適した原石はどの宝石にも一定量存在しますが、特定のシェイプに片寄った需要が発生した時、ほかのシェイプに適した原石も使われることになり、コストアップになります。エメラルドカット・ダイヤモンドの美しさのポイントは透明度と姿の良さです。そして結晶の善し悪しが、直接透明度に影響します。ダイヤモンドカッターは、「エメラルドカットにおいては、素材の欠点を隠すことができない」といい、美しいエメラルドカットには、素材の良さが特に要求されます。料理の素材がよければより一層美しくなるのと同じです。

ここまで

– 諏訪恭一 決定版 宝石  世界文化社 2013年より引用- 

戦前から続く宝石商に生まれ、ダイヤモンドをはじめ各色石について、宝石の美しさとそれぞれの価値の差について、著書「宝石」シリーズを始めとする多数の著書にて教示解説し、啓蒙活動をしてこられた諏訪恭一氏ですが、宝石業界に携わっている方なら知らない人はいないでしょう。また諏訪氏は今年の2月~6月まで上野の国立科学博物館で開催された「特別展 宝石 地球がうみだすキセキ」を監修し、モリスからも6ctのミャンマー産天然無処理ルビーを展示協力致しました。これも諏訪氏のご推薦なくしては成しえなかったことです。

特別講演開催決定

2022年8月21日(日) (13:00~15:00国際文化会館)

この度、モリスでは諏訪氏を迎え、

「時間と場所を越えて受け継がれる宝石」をテーマに、

石品質判定を考案されたいきさつ、

そして実際にどのように使うのか?

実践を交えてご講演頂きます。

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