自然からの贈り物、あの美しい輝きを身に着けると心が純粋に、そして安らかになるといわれています。
ダイヤモンドという言葉は、ギリシャ語のアダマス(“征服されざる”の意)が語源です。自然界で最も硬い物質であることから、こう呼ばれたのでしょう。ダイヤモンドは1725年頃ブラジルで発見されるまでは、インドが唯一の産地でした。インドでは紀元前800年にすでにお守りとして尊ばれ、価値ある物だったようです。その後、ペルシャのインド侵略を契機にダイヤモンドがヨーロッパに伝わったといわれています。かつてインドでは、カットは原石の欠点のある部分だけ取り除くだけのもので、原石の目減りを最小限に留めていました。ヨーロッパでは15世紀になると、王室の女性達がダイヤモンドを身に着けはじめました。また現在の研磨のもととなる、ダイヤモンドパウダーを使う新しい研磨技術が開発されました。そしてローズカットに続き、17世紀の中頃にはマザランによってブリリアントカットの原型が発明され、改良が加えられていきました。ブリリアントカットは、原石のロス率が50%またはそれ以上にもなりますが、ダイヤモンドの美しい輝きが引き出せる画期的なものです。
ここまで
– 諏訪恭一 決定版 宝石 世界文化社 2013年より引用-

戦前から続く宝石商に生まれ、ダイヤモンドをはじめ各色石について、宝石の美しさとそれぞれの価値の差について、著書「宝石」シリーズを始めとする多数の著書にて教示解説し、啓蒙活動をしてこられた諏訪恭一氏ですが、宝石業界に携わっている方なら知らない人はいないでしょう。また諏訪氏は今年の2月~6月まで上野の国立科学博物館で開催された「特別展 宝石 地球がうみだすキセキ」を監修し、モリスからも6ctのミャンマー産天然無処理ルビーを展示協力致しました。これも諏訪氏のご推薦なくしては成しえなかったことです。
特別講演開催決定
2022年8月21日(日) (13:00~15:00国際文化会館)
この度、モリスでは諏訪氏を迎え、
「時間と場所を越えて受け継がれる宝石」をテーマに、
宝石品質判定を考案されたいきさつ、
そして実際にどのように使うのか?
実践を交えてご講演頂きます。