結晶の冷却過程でできた月光のような輝き
・鉱物名(和名) orthoclase(正長石・オーソクレース) | ・主要化学成分 アルミノケイ酸カリウム | ・化学式 KAlSi₃O₈ | ・光沢 ガラス光沢 |
・晶系 三斜晶系 | ・比重 2.6 | ・屈折率 1.52-1.53 | ・へき開 完全(1方向)、良好(1方向) |
・硬度 6-6.5 | ・分散 | ◇産地 Myanmar | ◇サイズ 3.69ct 9.5/7.6/6.9 99.5/7.6/6.9 (mm) |
古代ローマ人はそれが月の光の固まったものだと信じて、この石を月の女神に結びつけた。
青みがかった月光のようなシーン(閃光)を持つ石。古代ローマ人はそれが月の光の固まったものだと信じて、この石を月の女神に結びつけた。このシーンは石の内部組織に由来する光の干渉現象であり、ナトリウムとカリウムの両方を含むかカリ長石、オーソクレースやマイクロクリンに見られる。マグマから結晶となったばかりのカリ長石、オーソクレースやマイクロクリンの結晶は均質だが、冷えるに従って2種類の長石に分離(離溶)し、膜状の組織(曹長石とカリ長石の互層)をつくる。カルシウムとナトリウムの両方を含む中間的組成の斜長石(ラブラドライトやオリゴクレース)においても、しばしば同様の膜状組織ができる。それが光の干渉を引き起こし、シーンをつくりだす。ムーンストーンは明るい地色の石が多く、またシーンも青白いモノトーンであるのに対し、ラブラドライトは暗い地色の中に鮮やかな七色の干渉色を示すものが多い。しかし最近、マダカスカルなどから明るい地色で青白いシーンを持つ、ムーンストーンと区別しにくい見た目を持つラブラドライトが見つかり、レインボームーンストーンの名で流通している。また、成分が曹長石(主にオリゴクレース)に相当する石はブルームーンストーンやペリステライトと呼ばれることもある。◇出典(参考文献)起源がわかる宝石大全(ナツメ社)