
09SR0107
このルビーはラウンドブリリアントカットによって内側から輝く小さなバラの花のようなルビーです。品質判定では、美しさがA、色の濃淡が#4のルビーで、モリスミャンマーのイエッチョーが採掘した、ミャンマー北部カチン州のナヤン鉱山の漂砂鉱床から産出した丸い原石をヤンゴンの職人が丁寧にラウンドブリリアントカットに磨き上げたモノです。0.1ctにも満たないその大きさから、街の中にあると、オーケストラの中で例えるならチェロとそれを弾く奏者のような存在かも知れません。確かに存在しているものの、大音量で流れる音楽の中で、バイオリンなどの音色と比べると目立たないけかも知れません。しかし、一度でもソロの演奏を聴いたことのある方は分かると思いますが、腹の底に響くような音色に心が動かされます。そのような感覚を与えてくれるルビーです。
私たちモリスは、目立たないからといって手を抜くことはなく、一つ一つ手作業で磨き、外観の写真撮影、そして顕微鏡で拡大し、その内包物、インクルージョンの写真撮影と品質判定を行います。宝石業界では、0.1ctに満たない大きさの宝石、もちろんそれがダイヤモンドであっても一つ一つの宝石として扱われることはありません。たくさんある中のひとつとして、一つの袋に何百、何千個まとめて入れられます。それは、経済的価値を考えると仕方のないことかも知れません。しかし、鉱山で採掘したモリスは、その一つ一つが、希少な大自然からの贈り物だと実感していました。なぜ太古より人は宝石ルビーを大切にしてきたのか?そこには、宝石文化があったからです。宝石を手にした人が、次の世代へと受け継いでゆく時に「感動する物語」があったからです。100年経っても200年経っても変わらない宝石ルビーは、例え小さくても持つ人のことオーケストラのチェロのように表現し、そしていつか、その人の思い出と共に受け継がれていくものです。「誰かのお宝ルビー」になるのだ、と考えたら、原石に触れる私たちは0.1ctのルビーでも3ctのルビーと同じ気持ちで触れなければ…と感じました。それ以来20年以上、変わらずインクルージョンを覗き続けています。着けていただく時には、このルビーにそういう想いがこめられていることを思い出していただけると幸いです。
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