宝石品質判定 ルビー 宝石種
ミャンマー産の天然無処理で美しいルビーの品質の見分け方について
- 宝石種
- 原産地
- 処理の有無
- 美しさ
- 色の濃淡
- 欠点
- サイズ
同じルビーという名前がついて販売されていても、世の中には、色々な種類のルビーが存在している。同じ大きさで、見た目が同じでも、その種類によって、4万倍の価格差が生じることがある。理由は、伝統的に宝石の王様として扱われてきたルビーは、鉱山で採掘した時の出現率が、宝石と比較して圧倒的に少ないから。だから、宝石の中でも最も「合成石」「模造石」、「処理石」の数も種類が多いため、前述のような価値の差が生じる。だから、ルビーを探すときには、ある程度の予備知識がないと、手放すときや、次の方に受け継ぐ際に「そんなはずではなかった!」ということになる。
モリスは、ルビー専門なので、シリーズで「ルビーの品質の見分け方」を連載していきたい。ここで伝える宝石品質判定の方法は、諏訪恭一氏が長年提唱されており、モリスが創業時に学んだ宝石品質判定の知識(現在は日本クラフト学院で教えている)を基に、原産地ミャンマーの採掘現場、お店での販売、そしてサザビーズなどのオークションでの還流市場での経験をもとに伝えていきたい。
まずは、① 宝石種を見分けることから始めたい。
ここでは、天然ルビーであることを見分ける。同じ赤いモノであっても、合成石、模造石、類似石があり、その種類を見分ける。ここを間違うと、以後の意味がなくなってしまうので、大切な部分。
合成石とは、天然ルビーと同じ化学組成の結晶を人工的に作るものであり、1883年にはフランスのベルヌイ博士が発明した「ベルヌイ法」が有名。
模造石とは、ガラスやプラスチックなど化学組成は違うものでルビーと見間違えることがある。類似石とは、レッドスピネルやレッドベリル、ガーネット、カーネリアンなどもルビーと見間違えることがあるので注意が必要。化学的に分析できなかった時代には、スピネルやガーネット等もルビーとして認識されていたこともある。いわゆるよく似た石。今では、簡単な機器があれば見分けることが可能になっている。
皆さんが普段目にする「鑑別書」には、鉱物名:コランダム、宝石名:ルビーと書いてあると思うが、この宝石種を見分けているということ。

ミャンマー産ルビー モゴック鉱山 天然無処理
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