しっかりとした赤色に少し紫味と緑味が混じった独特な色調と高い透明度と彩度、若干変形した小粒なエメラルドカットに磨かれた天然無処理で美しいルビーは、ミャンマー最北部カチン州にある幻のルビー鉱山Nam-Ya(ナヤン)で、モリスのイエッチョーが発掘し、ミヨテがエメラルドカットを決めて、ゾーミンチョーが大枠の形に磨き、それをミンゾーが磨きました。結晶の形に合わせてクラウンの部分、ちょうど写真では10時~2時方向のファセット(切子面)が大きくなりましたので、少し歪んでいますが、結晶の中からキラッとした輝きが浮かび上がってくるので、このルビーの個性だと思います。それをテーブルの場所を真ん中にするために調整して行くとパビリオン部分の高さが無くなってしまい、大きく生地を落とすか、もしくはテリが乏しいルビーになってしまいますから、ギリギリの判断だったと思い、天然無処理で美しいミャンマー産ルビーらしくていいと思います。サイズは、縦横2.4㎜/深さは1.3㎜、重さは0.07ctです。そして、このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#4」、品質の3つのゾーンは、ジュエリークオリティ(高品質)です。下のインクルージョンの写真をご覧いただきたいと思います。ナヤン鉱山産に多い細かいシルクインクルージョン、アパタイトと思われる小さな結晶インクルージョン、そしてナヤン産ルビーに多い成長線のように見えてしまう糖蜜上組織がハッキリと見えます。今は未だ、スイスの宝石研究所グベリンなどでもモゴック産もしくはナヤン産と表現されています。巷ではよく分かっていない幻のピジョンブラッドを産出するルビー鉱山ナヤンの特徴が詰まった小粒なルビーです。0.07ctと非常に小粒なメレサイズですが、自分たちで採掘し、研磨し、インクルージョンの顕微鏡拡大写真を撮ったお宝は、将来の宝石研究所にとっても非常に重要なデータのカプセルです。