若干の青味を感じさせる色調とモリスシンギュラリティカットによって磨かれた五角形の特徴的なプロポーションが映える天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、モリスが実際に現地に採掘をしていた最北部カチン州にある幻のルビー鉱山ナヤンで発掘した原石の生地と形を活かしヤンゴンで磨きました。サイズは、縦3.0㎜/横2.5㎜/深さ1.7㎜、重さは0.10ctと小粒ですが、上述の通り個性的な形で存在感のある一粒です。そして、このシンギュラリティカットという仰々しいネーミングについて、少し説明したいと思います。モリスは元々、日本中のメーカーや小売店さんへルビーを研磨して卸売りをしていましたが、その時に、「生地不足があって形が悪いから磨き直して下さい」と何度もやり直したりしていました。実際に、自分たちで採掘をして宝探しをして見つけた原石もお買い上げいただかないといけなかったので、仕方なくリカット(再研磨)を続けましたが、ある時、鉱山でやっと見つかった原石を見つけたとき、まるで「私が最後の一粒だと思ってくれていますか!」と個性的な形の原石に怒られたような気がしました。環境破壊だとかSDG‘sとか理想論ばかりですが、すべて人間中心の理屈ばかりで、地球中心、自然中心になっていないと気づきました。それから原石そのままで自分の指輪をつくったり、必要最低限の研磨でなるべく結晶の生地を大きく残すように努力するようになりました。シンギュラリティ(特異点)とは、唯一無二という意味で、宇宙ばビッグバンを起こす直前の収縮から膨張へ方向転換した点のことですが、人間中心から自然中心へ研磨の考え方が変わった瞬間という意味で、ネーミングをつけました。もちろん世界に一つだけという意味もあります。そういう意味も込められたこの五角形のルビー、宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#4」、品質を3つのゾーンに分けるとジュエリークオリティ(高品質)です。小粒なルビーですが、喜んでくれているように感じます。