驚くほど高い透明度と特徴的な少し長細いが完璧なエメラルドカットに磨かれた天然無処理で美しいルビーは、ミャンマー最北部カチン州のリモートエリアにある幻のルビー鉱山ナヤン（Nam-Ya）で発掘されました。以前に日本のテレビ番組で「世界最後の秘境…」と紹介されていた地域で、ナヤンに到着するには山を越えたら…また次の山…と舗装されていない、途中で何度も象に出会ったありする山道をバイクで６～７時間の移動です。（最も近い空港はミチナーの町にあります）ナヤン村の人口は2012年には200名ぐらいだと聞きました。その当時は、水道も電気もありませんでした。そんな秘境でモリスミャンマーのイエッチョーが、5年近く単身赴任で宝探しを続けてくれて見つけた「お宝ルビー」です。私がナヤン産ルビーに特別な思い入れがあるのは、その時の思い出が影響しているのかも知れません。さて、このパーフェクトなプロポーションのルビー、サイズは縦3.8㎜/横2.7㎜/深さ1.8㎜、重さ0.20ct、小粒ですが、ナヤンのルビーを代表するようなクリアな結晶です。ルーペを使ってこのルビーのインクルージョンを観ていくと、スピネルと思われる、小さな結晶インクルージョンが何個か見えてきます。スピネルについても私は、ナヤン鉱山で発掘され蛍光色のピンク色に輝くスピネルが最高だと思っています。ルビーと同様、透明度が高く、不思議な発色があります。このスピネルも現地人、調査に入った宝石研究所の関係者以外は、モゴック産だと思っていることでしょう。（残念ながら、私はルビー以外に興味が無いので…モゴック産スピネルとの違いはあまり分かっていませんが…）さて、この素晴らしい品質のルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#4」、3ゾーンは、ジュエリークオリティ（高品質）です。特別なジュエリーのワンポイントに使っていただき、ずっと大切にしていただき、次の世代に「思い出カプセル」として受け継いでいっていただきたいと思います。
