青味を少し感じさせる色調と、淡い濃淡のピンキッシュルビー(ピンクサファイア)が、発掘されたのは、ミャンマー最北部カチン州にある幻のルビー鉱山「Nam-Ya」…ナヤンです。
漂砂鉱床から発掘された小さく丸い原石をラウンド型のブリリアントカットに磨きました。サイズは、直径2.5㎜で、重さは0.06ctです。宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#2」、クオリティを3つのゾーンに分けて、ルビーとしてみた場合は、アクセサリークオリティ(宝飾品質)です。ジュエリーのワンポイントとしてジュエリーに装着すると、ピンキッシュな輝きが映えると思います。また、色の濃いルビーと比較すると割安感がありますので、色の濃淡でグラデーションを表現するのも面白いかも知れません。しかし、このピンキッシュルビーは、一般的には、ピンクサファイアと呼ばれます。ピンクサファイアのジェムクオリティは、天然無処理で美しいミャンマー産ルビーのクオリティスケールで見た場合は、アクセサリークオリティだということです。よく、ジェムクオリティ(最高品質)、ジュエリークオリティ(高品質)そしてアクセサリークオリティ(宝飾品質)と説明すると、「宝石としての価値が低いのですね!」と反応されますが、違います。品質判定の重要なポイントは、同じルビーという名前でも、品質を見分けるためのモノサシが、そもそも違うからです。産地が違えばルビーのクオリティスケールは違いますし、また同じミャンマー産ルビーであったとしても、人為的な加熱処理をして美しさを改良したものと、このピンキッシュルビーをみた天然無処理のものでは、クオリティスケールが違います。当然、価値判断するときの価値比較の仕方も全く違う枠で行いますから、一概にアクセサリークオリティだから価値が低いとは言えないのです。ルビーを長く見てきて、加熱したジェムクオリティよりも同じ大きさなら遥かに無処理で美しいアクセサリークオリティのピンキッシュルビーの方が、宝石としての価値が高いのは、価値比較表をみれば分かります。微小な結晶インクルージョンが全体に広がっていて、やさしいピンク色の輝くこのピンキッシュルビーは、このルビーが好きな方には立派な宝石なのです。