ラウンドとオーバルが合わさったような個性的なプロポーションと青味の少ない色調、高い透明度が特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、最北部カチン州の中山間地域にある幻のルビー鉱山ナヤン（Nam-Ya）で採掘された原石をオーバル型のミックスドカットに磨きました。サイズは、縦2.5㎜/横2.1㎜/深さ1.5㎜、重さは0.07ctと小粒な結晶です。宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、そして色の濃淡は「＃4」、クオリティで3つのゾーンに分けた場合、ジュエリークオリティ（高品質）です。ナヤン鉱山は、モリスが2007年から2011年まで採掘を続けたところで、ルビーの価値判断をするために一番重要な「出現率」を学ばせてくれた、モリスにとっては重要な鉱山です。電気も水道も来ていない人里離れた山奥で、外部からの情報がほとんど届かない場所で、毎日採掘をして、その産出結果、そしてその原石一つ一つの個性をファイルした後、ヤンゴンの研磨工房で研磨し、そして順に研磨されたルビーの顕微鏡拡大写真を撮影して品質保証書を作成していきました。モリスが天然無処理で美しいミャンマー産ルビーだと保証できるのは、その作業を20数年変わらず続けてきたからです。このルビーのインクルージョンを顕微鏡で拡大した写真は下記でご覧いただけると思いますが、ナヤン鉱山特有の繊細なシルクインクルージョン、それが少し密集している部分がありますが、そのシルクインクルージョンの周りに六角形の成長線が見えます。シルクインクルージョンが多いルビーの結晶を取り込み、このルビーの結晶が育ったと推定できます。宝石ルビーの中に宝石ルビーが入っているということだと思います。そしてそのシルクインクルージョンが密集している中に、今度はアパタイトかカルサイトと思われる結晶が見えます。宝石の中に宝石が入っていて、そのまた宝石の中に別の宝石が入っている…。大自然の造形美は、私たちの想像もつかないところで生み出されているのだと感じます。
