ミャンマー産 天然無処理ルビーモリスルビー14JE0015

ほんの少し青味を感じさせるミャンマー産ルビーの一番いい赤色が結晶の奥からピカッと輝き、湧き上がってきます。ピジョンブラッドと呼ばれるルビーの色調とは違った蛍光性を感じさせるものです。この高い彩度はうっすらとクラウド状に内包されたシルクインクルージョンが関係しています。ピジョンブラッドもそうですが、ルビーの場合は、シルク（ルチルの針状結晶が絹を編んだように内包することからそう呼ばれる）インクルージョンがうっすらと内包されると結晶自体の輝きに加えてシルクインクルージョン自体が反射してベルベットのような雰囲気を醸し出しながら、もうひと色、明るく輝きだすことがあります。このルビーもそうですが、非常に力のある輝きです。透明度こそ、シルクインクルージョンがうっすらと入っているため、普通ですが、大きなインクルージョンもなく質のいい結晶です。産出は、ミャンマー中北部の中山間地域にあるモゴック（Mogok）鉱山です。丸くコロッとした結晶をラウンド型のブリリアントカットに磨きました。サイズは、縦横4.1㎜/深さ2.6㎜とラウンド型としてはかなり大きなサイズ感、そして重さは0.31ctです。そして、このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、私自身は「S」でもいいかと感じたぐらいです。そして色の濃淡は「#5」、クオリティスケールをGQ/JQ/AQの3つのゾーンに分けると、文句なしのGQジェムクオリティ（最高品質）です。このルビーは、すでにお客様の手元に出かけていますが、是非とも実物をご覧いただきたいところです。特に夕方の太陽光に当たった時に、電源を入れたかのようにピカッと真っ赤に光りだす姿は、特別な何かを感じさせるものでした。宝石ルビーには同じものが2つとない、私たち人間と同じように個性です。お客様に相性の良いお気に入りのルビーになって、傍らで思い出カプセルに育っていくのだと思います。宝石らしいと思います。