昨日に続いて上面をテーブルとクラウン、下部をキューレットに向かってステップカットにしたミックスドカットの天然無処理で美しいミャンマー産ルビーです。紫味を感じさせながら深い赤の色調とバランスの良いモザイク模様が結晶の奥から湧き上がってきます。宝石品質判定のクオリティスケール上では、ほんの少し結晶インクルージョンが見えますが、美しさには全く影響しておらず、美しさのスケール上では、「A」輝きがあり美しいもの、そして色の濃淡は「#5」のジェムクオリティです。大きさは、縦4.4㎜/横4.3㎜/深さ2.3㎜、重さは0.33ctです。ほんの少し、深さに対して縦横の直径を小さくすれば、完全なバランスになり、完璧なテリ(結晶の奥からキラキラと湧き上がってくる輝き)が出てきますが、その為に小さくする必要はないと判断しました。産出は、モリスが採掘をしていたナヤン鉱山の中にある「マノウ」鉱区です。入手した原石をモリスミャンマーの研磨職人であるゾーミンチョーが磨きました。一つ一つの原石をどのような形に磨くかという作業は、現在、モリス銀座店で製造管理を担当するミヨテが行います。職人との打ち合わせは真剣そのものです。1㎜の原石でも、一度も誰かに任せている姿を見たことがありません。もう5万石ぐらいの形を彼が担当しました。毎日10個考えても15年かかる計算ですが、22年以上一緒に宝探しをしているので、そうなると思いますが、その原石をどんな形するか?考え続けて、そして仕上がったルビーをその場で、顕微鏡拡大検査とインクルージョンの写真を撮影し続けたことです。これだけ長く続けられるのは、モリスがお客様にお届けするルビーは、そのルビーを持つ方の思い出カプセルになって、いつか誰かに受け継ぐ時にその思い出がキラキラと輝くものであって欲しいという強い気持ちがあるからです。私たちは、何万の天然無処理の原石を取り扱ってきて、宝石を観る眼が鍛えられました。モリスルビーに第三者の鑑別書ではなく、自社の品質保証書を発行する理由です。このルビーも上記の品質をモリスの名前で保証しています。