コクがあり、青味の少ない色調と高い透明度、彩度が特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、中北部にあるルビーの鉱山としては、世界的に有名なモゴック(Mogok)で発掘されました。原石の形を活かし、オーバル型のミックスドカット(フェイスアップで楕円形の輪郭、上面にスターのクラウンと、下面にステップをつけたルビーでは一般的なスタイル)に磨きました。サイズは、縦3.7㎜/横3.0㎜/深さ2.2㎜、重さは0.22ctと小粒ですが、キラッと輝く力のあるルビーです。宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#5.5」、クオリティを3つのゾーンに分けた場合、ジェムクオリティ(最高品質)ですが、前述の通り力強い存在感のあるルビーですので、小さいのですが指輪のメインストーンとして使うことをおすすめします。指輪をおすすめする理由は、高品質なルビーをご自分の眼で一番、間近に見ることのできるジュエリーは指輪だからです。指輪をつける手を少し動かすだけで結晶の奥から湧き上がってくるキラキラとしたモザイク模様を楽しむことができます。特に、婚約指輪や結婚指輪に装着すると指輪の格がグッと高まるはずです。あまり知られていないことですが、元々、結婚指輪に使われた宝石としてルビーの歴史はとても長く、欧州の中世に使われたルビーの結婚指輪が残っており、ダイヤモンドのそれよりも歴史は遥かに長いのです。私自身が手に取って実際に拝見したルビーの結婚指輪は、金で作られていたものです。欧州の中世(12世紀)、日本で鎌倉時代にあたる時代のもの、ルビーを観察したところ、接触変成岩起源のルビー(ミャンマー産と同じ)であることが分かりました。ダイヤモンドとルビーがセットで結婚指輪に使われ始めたのがルネッサンス期(15世紀以降)です。その当時、金で結婚指輪をつくれたのは社会的地位の高い人だったと推測しますが、その当時、一番高額な宝石がルビーであったことも関係しているかも知れません。