若干の紫味を感じさせる優しい色調と高い透明度と彩度、オーバル型でもラウンド型でもクッション型でもない中間的なプロポーションが特徴的な天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、ピジョンブラッドルビーを産出する鉱山として世界的に有名なモゴック（Mogok）の漂砂鉱床で発掘された原石をヤンゴンで磨きました。サイズは縦5.1㎜/横4.7㎜/深さ3.7㎜、重さは0.76ctと産出する結晶のほとんどが小粒なルビーとしては存在感のある大きさです。宝石品質判定のクオリティスケール上でみた場合、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡「#4」明るめのルビーがお好きな方にはピッタリの濃さです。そして品質をクオリティスケール上で3つゾーン（GQ/JQ/AQ）に分けるとJQジュエリークオリティ（高品質）になります。この3つのゾーンに分ける作業は、その宝石の価値判断をする上で非常に重要です。私個人的には、このルビーは、最高の品質だと称えてあげたい…と感じる魅力的なもので、手の上に乗せてご覧いただければ分かると思います。素晴らしいルビーです。それではGQジェムクオリティと表示すれば良いではないか？と言われそうですが、それは違います。好きかどうか？でいえば好きなルビーですが、理性的に品質判定をすればＪＱであり、品質判定をして3ゾーンを明らかにしてから値段が決まっていきます。大自然の造形美である天然無処理で美しいミャンマー産ルビーを観る時は、まずは「好きかどうか」の目線で観て、その上で「品質判定のクオリティスケール」を使って価値判断する順番が良いでしょう。ただ、そのクオリティスケールの使い方にもコツがあります。
例えば、「美しさ」だけを見たとしても、特に色調の素晴らしいものだが透明度が低いルビー、逆に透明度は素晴らしいが色調の面で緑や紫が強すぎるもの…その他にも、両方素晴らしいが残念ながら彩度がパッとしないものもあります。プロポーションが悪いもの、すべてが素晴らしいが、衝撃により破損してしまうインクルージョンが内包されている場合もあります。色調、透明度、彩度、色ムラ、欠点、プロポーションのそれぞれに評価点をつけて、その点数を足せば…そのルビーの美しさが分かるか？といえば残念ながらそうではありません。クオリティスケールの素晴らしいところは、使い慣れると一瞬でどこの枠に入るか？分かってくることです。ご興味にある方は、是非ともモリスのお店で、ルビーを観てからクオリティスケールの説明を聞いてください。
