モリスルビー22SR00120

 

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モリスルビー22SR00120

カラット 0.23ct
Origin(産地) Myanmar
Quality(品質)
Size(サイズ) 4.0/3.4/1.9

ルビーの特徴

昨日のルビーと同じように、フェイスアップ(上面から見た姿)で見たときの縦横のサイズに対して深さが少し少ないので紫味が強調された色調ですが、本質的な結晶の質はとても良く、高い透明度と整ったオーバル型の天然無処理で美しいミャンマー産ルビーです。サイズは、縦4.0㎜/横3.4㎜/深さ1.9㎜、重さは0.23ctと小粒ですが、形もよくしっかりとした存在感があります。宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさ「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#4.5」、そして品質を3つのゾーンに分けた場合、JQジュエリークオリティ(高品質)です。産出は、ミャンマーの中北部、マンダレーから自動車で5時間ほど走ったところにあり、ルビーの鉱山としては世界的に有名なモゴック(Mogok)です。天然無処理で美しいルビーの産地は、ミャンマーには、あともう一つナヤン(Nam-Ya)鉱山があり、同じ性質をもったルビーが産出されています。その他の国、場所でもルビーは産出しますが、ミャンマー産ルビーが特別なのは、成分分析をすると分かります。ルビーを赤くする「着色要因」は、Cr(クロム)ですが、色調に影響を与える別の元素には、Fe(鉄)、V(バラディウム)、Ti(チタン)などがあります。他の産地のルビーは、FeやVがクロムと同じように検出されますが、ミャンマー産ルビーの場合は、ほぼCrだけしか検出されません。グラフで見るとほとんどゼロです。その理由について、国立科学博物館の宮脇博士より「地下20㎞~40㎞という深い地層にはクロムが多い、そして鉄は、地表に近いところに多いことから、深いところで結晶したと考えられる」とお聞きしたことがあります。ルビーは、玄武岩起源のもの、大陸が移動した圧力と熱で結晶する広域変成岩とマグマと接触することで、純粋に熱で変成する接触変成岩のどちらでも産出しますが、ミャンマー産ルビーは後者の接触変成岩で、純粋に地下深くマグマの熱で結晶したとされています。そこから約2000万年かけて地表まで、どのようにして上がってきたのか?そしてなぜ、接触変成岩起源のルビーは、ごく一部のエリアでしか産出しないのか?諸説がありますが、このルビーを見ていると、よくここまで来てくれたな…と思います。確率論で言えば、出会える可能性はほぼゼロだったわけですから。

ルビーの内包物

天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。

この記事を書いた人

森孝仁

株式会社モリス 代表取締役社長

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