モリスルビー22SR0126

 

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モリスルビー22SR0126

カラット 0.16ct
Origin(産地) Myanmar
Quality(品質)
Size(サイズ) 3.3/2.9/2.0

ルビーの特徴

ほんの少し紫味を感じさせる色調と高い透明度と彩度を秘めた素晴らしいルビーは、ミャンマーの中北部の山奥にあるモゴック(Mogok)鉱山で発掘された小粒でコロッとした丸い原石の形を活かしラウンドに近い形、上面のクラウン部分にはスター型のファセット(切子)面、下面パビリオン部分には四角と三角のファセットを組み合わせたステップカットをつけたミックスドカットというスタイルで磨きました。サイズは、縦3.3㎜/横2.9㎜/深さ2.0㎜、重さは0.16ctと小粒ですが、宝石らしい風格のある天然無処理で美しいミャンマー産ルビーです。写真で見たとき7時方向、ガードル(輪郭部分)の近くに白っぽいものがご覧いただけると思いますが、これは内包されていたインクルージョンが研磨した時に表面に出てきたものではなく、このルビーが結晶した時の母岩(カルシウムが主成分の大理石)が残ったもので岩石であり、いわゆる生地不足です。私個人的には、このルビー自身が、自分の出生地を表現しているようでエクボのような感じに見えます。もちろんリカット(再研磨)すればなくなりますが、その必要はないと思います。天然無処理で美しいミャンマー産ルビーの場合は、このような小粒なサイズでも、いつかリカットして再利用する時が来ます。その時に、磨きなおせばいいと思います。さて、このルビーを宝石品質判定のクオリティスケール上で見た場合、美しさは「A」輝きがあり美しいもの、色の濃淡は「#5」、品質を3つのゾーンに分けた場合、GQジェムクオリティ(最高品質)です。そして顕微鏡でこのルビーの内なる世界を覗くと、ピラミッドを上下に合わせたような形のスピネルと思われる結晶、そしてモゴック鉱山で産出されるルビーに時々見られる液体インクルージョン(フィンガープリント)が観えてきます。この液体インクルージョンというのは、相当な数のインクルージョンを見ないと加熱処理石と見間違えることがあります。ルビーは一般的に、美しさを人為的に改良するために加熱処理が行われますが、原石の破損を防ぐ目的で一緒に加熱されるボラックス材(ホウ砂)が原石内部に残った姿とよく似ているので注意が必要です。フィンガープリントと呼ばれる天然処理の液体インクルージョンは、湾曲していませんが、加熱処理をしたときに入る液体インクルージョンには、不規則に湾曲し、一つ一つの粒が小さく密集して見えます。このルビーの液体インクルージョンの顕微鏡拡大写真は、いつか天然無処理のルビーのサンプルになるかも知れません。モリスでは既に、5万石以上のトレーサビリティが確立されたルビーのインクルージョン写真があり、処理の有無を自分たちで見分けられますが、それでも街中では、分析しないと分からないルビーがたくさんあります。ルビーを探す場合は、最低でもインクルージョンを観て鑑別できるジュエラーに相談された方がいいでしょう。何かの書類だけでは、不十分です。

ルビーの内包物

天然ルビーは、自然の恵みであり唯一無二の個性を持っています。それぞれの結晶の中に内包されるインクルージョンはそのルビーの個性を表します。またこのインクルージョンは、原産地、処理の有無を判定する際の重要な手がかりとなります。

この記事を書いた人

森孝仁

株式会社モリス 代表取締役社長

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