18AT0167 夜ざくら
カラット | 0.19ct |
Origin(産地) | Myanmar |
Quality(品質) | Jewelry quality |
Cut(カット) | MORI’S SG cut |
Size(サイズ) | 3.1mm/3.0mm/2.0mm |


控えめな彩度と色の濃淡でありながら、高い透明感の氷のような結晶。最低限の研磨をすることで荒々しい男性的なシンギュラリティカットのピンキッシュルビーに仕上がりました。もし、この原石が丸いラウンドブリリアントカット(ダイヤモンドで一般的に採用される形)に適していたなら、可愛らしい丸くキラキラした姿に磨かれていたでしょう。しかしパッと見た時の印象は控えめながら、少し尖った結晶に緊張感、使命感を感じます。インクルージョンを観察した時、細かい針状のルチルの結晶の集まり、通常シルクと呼ばれるインクルージョンの入り方、そしてカルサイトと思われるチューブ状の結晶インクルージョンが、自分がどこで育まれたのかを伝えてくれ、不思議とその結晶が刀の形であり刀の刀文に見えてきます。カルシウム分が多い接触変成岩を母岩とするミャンマー産ルビーの中に見られる結晶は、アパタイト、カルサイトが多いが、不思議なことにラマン分光器でその結晶を検査すると、どちらも不規則な海の中で見る気泡のように見えるのが特徴です。総称で「スタッビィ状結晶インクルージョン」と呼びますが、スタッビィとは切り株状のことで、モゴック産、ナヤン産のルビーに多く見られます。さて、この夜に咲くさくらのようなピンキッシュルビーですが、朝になったら散ってしまうかも知れない桜の花とは違うのは、この先、何百年も変わらず同じ姿で輝き続けることです。経年変化が無いのが宝石であり、宝石の価値を支えています。私が師と仰ぐ方から「宝石は時と場所を越えて受け継がれていくものである」と教わりましたが、明日散ってしまうかも知れない桜のようなか弱さと、時間を越えていく強さを感じます。天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、ずっと大切にして、ピカピカに磨いて(いい思い出をたくさん詰め込んで…という意味で)、いつか誰かに受け継いでゆくに相応しい宝の石だと思います。


Crystal(60x) inclusion

Silk(60x) inclusion
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