今日のルビーNo,18DR0241

高い透明度と若干の紫味を感じさせる色調、結晶そのもののコンディションが抜群に素晴らしいルビーは、ミャンマー最北部カチン州のナヤン鉱山から産出されました。宝石品質判定のクオリティスケール上で、美しさは「S」輝きがあり特に美しいものであり、色の濃淡は「＃4.5」、通常であればジュエリークオリティですが、私は、ジェムクオリティと呼んで良いと思います。原石の生地を大切にファセット（平らな切子）面をつけながらオーバル型に磨きました。少しクラウン（テーブル面を囲むファセット）が均一になっていませんが、これは、最高の結晶をなるべく残すためです。大きさは、縦4.9㎜/　横4.2㎜/　奥行3.7㎜、重さは0.65ct残りました。そして、この結晶の素晴らしさを加味すれば、この大きさのルビーには色の濃淡「＃4.5」は最適です。このレベルの高いルビーは、指輪に仕立てることをおススメします。理由は、指輪は自分の手に着けるので、いつも自分の目で、その宝石を一番近くで楽しむことができるジュエリーです。このルビーの結晶の奥から湧き上がってくるようなキラキラとした輝きを直接自分の目で楽しむのは最高の贅沢だと思います。加えてこの質のルビーの特徴ですが、ピジョンブラッドという最高のルビーを形容する呼称がありますが、ピジョンブラッドの良さは、深い赤色にあり、曇った日の太陽光で驚くほど赤く輝くのがその様子は、ノアの箱舟の中で燃える石炭のように輝いた宝石「カルブンクルス」を想像させる力強い色を想わせます。しかし、ピジョンブラッドは、光源によって大きく姿を変えるという気難しい面もあります。蛍光灯などの人工的な光の下では、黒っぽく沈んだ色になってしまい、持ち主が驚いてしまうほどです。このルビーの色調は、蛍光灯の下でも同じように魅力を発揮してくれる万能タイプの結晶です。天然無処理で美しいミャンマー産ルビーは、大自然の造形美、唯一無二の存在ですので、それぞれに個性があります。出会いにご縁を感じながら「好きなルビー」、宝探しをしていただきたいと思います。